2012年05月01日

がれきの広域処理問題B予算の広域処理なのでは?

http://fotgazet.com/news/000206.html

がれきの広域処理問題B

予算の広域処理なのでは?

 ◆ 「除染」と「広域処理」 


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大成建設による除染モデル実証実験 2011年11月21日 福島県川俣町山木屋地区

がれきの広域処理が「どうも変だ」と気づいたのは、昨年11月に福島で除染モデル実証実験を取材していた時のこと。
 
日本原子力研究開発機構(JAEA)が政府から100億円超で請負い、原発建屋を造ってきた大成建設、鹿島建設、大林組などの大手ゼネコンが丸受けしていた。つまり原発を造ってきた側が、事故を起こしてもマッチポンプ式に儲かる仕組みがあった。

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2011年3月16日 陸前高田市

同じ頃、第3次補正予算案が可決され、がれき処理費(災害廃棄物処理事業費)に3年間で1兆円超の予算がついた。地元の業者さんや被災者雇用のために、当然ながらその予算が使用されるのだろうと私は思っていた。そこで浮上し始めたのが、がれきの広域処理だ。
 
「国は被災地にしか復興助成金をだせない」という決まりがある。
 
岩手県のがれきを東京都に輸送して焼却する場合、岩手県はがれき処理費用を東京都に支払う。その費用は全額を国が負担することになっているので、岩手県は国から全額を補助される。つまりすべては税金だ。


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「東電FUCK」という落書き 2012年4月10日 飯舘村

東京都でがれきの処理を受け入れているのが、話題の「東京臨海リサイクルパワー」だ。東電の子会社である。がれき処分の助成金額は2年間で140億円。被災地復興のための税金が、東電の子会社に流れる仕組みだ。除染モデル実証実験のお金の流れと、そっくりなのだ。(詳しくは下記の記事)
 
「東京都と東電子会社が被災地がれきビジネスで焼け太り」(My News Japan) 

広域処理では、全国各地へがれきを輸送する運送会社や受け入れ自治体の産廃業者にもお金が落ちる。
それだけではない。がれき受け入れキャンペーンのCMなどの広告費(復興庁:災害廃棄物の広域処理に関する広報業務)は、なんと年間15億円。広域処理推進のための「住民視察ツアー」にまで環境省が補助金を出す始末。

 
これでは"がれき"の広域処理ではなく、"予算"の広域処理だ。

 ◆被災地のためになるの? 


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2012年3月12日 名取市閖上地区

そもそも広域処理されるがれきの量は、全体の20%に過ぎない。つまり80%は地元で処理される。
 
※被災3県で発生したがれきの総量は2300万トン(岩手県約476万トン、宮城県約1,569万トン、福島県約260万トン)。福島のがれきを除いた総量の20%が広域処理されるがれき量。
 
広域処理の前に、岩手、宮城県内の仮設焼却炉の建設が早急の課題だ。仮設焼却炉の建設と同時に、関連リサイクル業の現地雇用も生み出される。石巻市の場合、がれき処理の予算は約2000億円で、1250人の雇用が創出されるという。
 
岩手県岩泉町の伊達町長は、「無理して早く片付けなくていい。10年、20年かけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する」と言っている。
 
政府は、被災地のがれきを3年間(あと2年)で処理すると決めているが、伊達町長が指摘するように時間をかければ、広域処理の必要もない。


◆そもそも焼却する必要があるの?

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汚染土を仮置き場へ埋設する 2011年11月20日 南相馬市

震災がれきには、車やコンクリート、家電製品など様々な物があるが、70%以上が木材だと言われる。木材であれば、そもそも焼却する必要があるのか?そのまま土壌に埋めるのがもっとも簡単な方法。大槌町の男性は、「全国で反対している人が多いようだが、裏山に埋めちまえばいい。場所はたくさんある」と言っていた。有機物を埋めると、硫化水素が発生する可能性があるため、環境に優しいとは言えない。
 
福島では、除染後の汚染土をコンクリートや防護シートで覆い、仮置き場に埋設している。放射性廃棄物を土壌に埋めるのだから、硫化水素の発生を防ぐ方法はあるはずだ。山間部に木材の仮置き場と焼却施設を作り、徐々に処分することもできるだろう。南相馬市の桜井市長は、がれきを集めて防災林の土台に利用することを提案している。
 

燃やすことを前提にするのではなく、木材のリサイクルや焼却以外の処理方法を再検討する必要もある。そうすれば焼却する量も、格段に減る。広域処理の20%程度は処理できるかも知れない。

◆カネか、命か?

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福島第一の1〜4号機 2012年4月7日 小型機より撮影

「オールジャパン」「痛みの分かち合い」など広域処理推進のために、政府は感情に訴えている。そんな美談ではない。がれきの広域処理は、カネの話なのだ。
 
原発立地予定地に関連交付金や寄付金をばらまいたように、事故を起こしても除染ビジネスで儲かろうとするように、広域処理は、復興支援を利用した利権の問題だ。 

ましてや、がれきが放射能を含んだ放射性廃棄物であるならば、人為的に拡散するべきではない。警戒区域から出る時、防護服に身を包んだ男たちが、私の全身をスクリーニング検査した。放射性物質を拡散させないようにと、念入りに靴の裏まで計測された。なのになぜ、環境省は「480ベクレル以下であれば、健康に対する影響は"無視"できます」と言えるのだろうか?
 
運搬中の放射能拡散、がれき埋め立の8000ベクレルという基準値、さらには焼却灰の保管問題など、危険性をあげればキリがない。 

放射能の問題を抜きにして考えても、広域処理の必要はないのだ。




posted by ぱわふる at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | がれき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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