2012年05月09日

セシウムの濃度3割増えた― 島田市 瓦礫 焼却試験後,市民が検査し判明

燃やしてからでは遅い.jpg


セシウムの濃度3割増えた― 島田市 瓦礫 焼却試験後,市民が検査し判明



大気中に出てしまった放射性物質やその他の有害物質は木々にふり、雨とともに地面にしみこみ、
作物や水を汚染します。人々の健康を害します。
被害をこれ以上拡散しないためにも、島田市は即刻瓦礫の受け入れを中止してください。

北九州市も今月20日21日に瓦礫の試験焼却をすると発表しています。

島田市のこの結果を見てもなお、そのような愚かしいことをするのでしょうか。
北九州市には瓦礫の受け入れではなくて、北九州市ならではの被災地支援があると思いますし、
何より北九州市が焼却したら、汚染は風向きによって近隣の県にもひろがるでしょう。
汚染が低く済んでいる西日本を汚染させたら、
いったい私たちは食材をどうやって手に入れればいいのでしょうか。
どこで暮らせというのでしょうか。

山口のお友達のブログです。

北九州市のみなさんへ、新たな安全神話に騙されています
http://atta-an.seesaa.net/article/269043462.html
明日、北九州市に山口・宇部からの声を届けに行きましょう!
http://atta-an.seesaa.net/article/269255751.html



静岡放射能汚染測定室から、『島田市の試験焼却前後おける松葉の放射能調査結果について』を転載します。

http://sokuteisitu.plumfield9905.jp/2012/04/29/%e9%9c%87%e7%81%bd%e5%bb%83%e6%a3%84%e7%89%a9%e5%ba%83%e5%9f%9f%e5%87%a6%e7%90%86%e3%81%ab%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8b%e8%a6%81%e6%9c%9b%e6%9b%b8%e3%81%ae%e8%b3%87%e6%96%99%e3%80%82/%e8%b3%87%e6%96%99%ef%bc%94%e5%b3%b6%e7%94%b0%e5%b8%82%e3%81%ae%e8%a9%a6%e9%a8%93%e7%84%bc%e5%8d%b4%e5%89%8d%e5%be%8c%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e6%9d%be%e8%91%89%e3%81%ae%e6%94%be%e5%b0%84/

島田市の試験焼却前後おける松葉の放射能調査結果について

2012/3/31
京都大学大学院・工学研究科
河野 益近

はじめに

島田市が2012 年2 月16 日、17 日の両日、福島第一原発事故の放射能を含んだ震災瓦礫(主に木材チップ)の試験焼却を行うと発表した。その発表を受けて、放射能の再拡散を懸念する市民グループが、試験焼却前後に焼却場周辺や島田市内(一部隣接市)の6 ヶ所とコントロール(比較対照)として静岡市内1 ヶ所で松葉を採取し、松葉に含まれる放射能の調査を行った。
私は松葉の採取方法のアドバイスと放射能の測定の分野でこの調査に協力させていただいた。ここでは、主として、焼却前後に採取された松葉に含まれる放射能について報告する。

松葉試料の採取

試験焼却による影響を調査するために、試験焼却前の2012 年2 月10 日に第一回目の松葉の採取を行い、試験焼却後に第二回目の採取を行った。試験焼却後の採取は、2 月18 日(1)、20 日(2, 3)、22 日(4, 5, 6)。さらに一部については再採取を3 月6 日(4, 5, 6 とコントロール(比較対照)1 ヶ所)に行った(図.松葉の採取場所)。

松葉の採取場所

河野資料1.JPG


試験焼却前の第一回目の採取は2010 年と2011 年に芽を出した葉を分けて採取した。試験焼却後の第二回目は2011 年に芽を出した葉のみの採取をおこなった。これは福島第一原発事故からの放射能を直接浴びた2010 年葉は、直接の影響を受けていない2011 年葉に比べて放射能が10 倍ほど高いため、新たに追加される放射能量を調べるためには放射能の低い2011 年葉が有効だからである(図.静岡県内での2010 年葉に対する2011 年葉の放射性セシウムの割合)。

静岡県内での2010 年葉に対する2011 年葉の放射性セシウムの割合
*)Cs-134, Cs-137 以外は自然放射線のピーク


河野資料2.JPG

松葉試料の測定

採取した松葉試料は、200cc の測定容器に封入し、ゲルマニウム半導体検出器で測定をおこなった(図.島田市の松葉(第二回、1、2011 年葉)のガンマ線スペクトル)。半導体検出器の周囲は、建物のコンクリート等からの自然放射線を遮蔽するために10cm の鉛で覆われており、また鉛の内側には鉛からの自然放射線を遮蔽するために10cm の純銅で覆われている。

測定に用いた松葉試料の重量はおよそ53g から107g、測定時間はおよそ70,000 秒から270,000秒である。検出限界は試料重量と測定時間によって異なるが、その最小値はCs-134 で0.35 Bq/kg、Cs-137 で0.41 Bq/kg である。

結果と考察

第二回目の測定で、高い放射能を示す松葉があった。2010 年葉の混入が考えられたので、一部は再度採取してもらい枝付きで送ってもらった。枝についた葉ならば簡単に2010 年葉と2011 年葉を選別できるためである。2010 年葉が混入すると、放射能の値がまったく変わってしまう。しかし再度の採取のため、新たに降雨という不確定要素が加わってしまった。ちなみに静岡市内の降雨は、2月23 日、25 日、29 日、3 月2 日、4 日、5 日、6 日(午前中)で、激しい降雨もあった。

1. 瓦礫の試験焼却の影響を示唆する点について

まず、震災瓦礫の試験焼却の影響が考えられる点について述べる(図.松葉(2011 年葉)に含まれる放射性セシウム(Bq/kg)、図.焼却前に対する焼却後の松葉(2011 年葉)に含まれる放射性セシウムの差)。

@ 1 の放射能が、試験焼却後により高くなっている。増加の割合は、放射能量で約4.2 Bq/kg、比率で約130%となっている。試験焼却前でも他の採取場所に比べて放射性セシウムの放射能が高いことを考えると、焼却場で日常的に焼却されるゴミに含まれる放射能――静岡のゴミには量は少ないが福島からの放射能が含まれている(図.松葉による静岡県内の放射能測定結果)――が溜まりやすい場所だと考えられる。

A 4、5 が焼却後に高くなっているが、同時期に採取された静岡市内の松葉の放射能も少し高くなっている。これは降雨による影響(降雨によって松葉の放射能の一部は洗い流されるが、その洗い流された放射能がより下方の葉に付着したり、また降雨自身に含まれる放射能が松葉に付着したりすることが考えられる)だと思われるが、5 については焼却後の降雨前に採取した松葉の放射能もわずかであるが高くなっているので、降雨とは無関係に5 の地点は試験焼却後の放射能が高かった可能性がある。

また、比率で見ると静岡市内の増加は放射能量で約1.4 Bq/kg、比率で約120%であるのに対して4 は約2.8 Bq/kg、180%、5 は約2.6 Bq/kg、190%(降雨前は約1.5 Bq/kg、150%)となっており、静岡市内に比べて増加した量、割合ともに大きくなっている。

B 2 は、放射能は約0.8 Bq/kg と増加した放射能量は少ないが、焼却前後の比は約180%になっている。
以上が震災瓦礫の焼却の影響を示唆する結果である。


2. 慎重さを要する点について

慎重になるべき点についても述べておかなければならない。それは以下の点である。

@ 降雨の影響を考えなくてもよい試料でも、焼却前よりも放射能量で約0.2 Bq/kg(比率で約20%)低い場所(3)がある。
A 降雨後については放射能量で約0.8 Bq/kg(比率で約10 %)低い場所(6)や約1.4 Bq/kg(約20%)高い場所(焼却とは無関係の静岡市内)がある。
3 については、放射能量で考えれば、試験焼却前後で殆ど変化は無いと判断しても間違いではないと思う。しかし、他の測定結果については、松葉は環境試料であるということを考えれば、瓦礫焼却の影響が無くても、少なくともこの程度(放射能量で±1.4 Bq/kg、比率で±20 %)の変化は起り得るということを考慮しておかなければならない。

結論

島田市の焼却施設は、ガス化・高温溶融一体型の炉で、燃焼・溶融帯の温度は1,000〜1,800 度であり、『ごみ中の灰分、金属、セトモノ、ガラスなどの不燃物が高温で完全に溶融され、有害な重金属類は還元雰囲気の下、後段の排ガス処理にて捕集されるため高品質の溶融物が産出されます。溶融物は急冷後、スラグとメタルに分離され再利用されます。』と島田市HP に説明されている。

このような高温で環境に飛散した放射性セシウムを(化学形態がどうあれ)焼却するとガス化して消失すると考えられる。少なくとも松葉を坩堝で燃やすと松葉に含まれる放射性セシウムは消失する。

さまざまな状況(焼却温度や焼却した放射能性セシウムの総量と灰に残っている放射能の総量など)を考えれば、ある割合で放射性セシウムが焼却場から環境へ放出されていると考えることができる。

島田市の焼却場から周辺に放出された放射性セシウムは、卓越風に乗り谷に沿って流れ、1 の松葉を汚染し、その後島田市内を東の方向(4, 5)へ向かったと考えることも出来るが、まだ推測の域を出るものではない。焼却が継続されるようであれば、継続した調査を行う必要があると考える。焼却される放射能の総量が多くなれば、環境に放出される放射能量も多くなるので、焼却の影響を明らかにすることができるであろう。

おわりに

環境に放出された放射性物質は、回収しない限り形を変えて何時までも環境に存在し続ける。事故などで放射性物質が環境に拡散すれば、環境から放射性物質を回収するのにエネルギーが必要になる。無駄なエネルギーを使って各地に拡散された放射性物質が環境を汚染すれば、汚染を環境から減らすには更にエネルギーを投入しなければならない。エネルギーの再投入がなければ、時間だけが頼りとなる。

放射線による被曝は、その被曝量に比例して影響があると考えて被曝管理をするのが現代科学の一般的な考え方である。したがって、福島第一原発からの放射性物質が少しでも回収され、あるいは人間の生活圏から遠ざけられない限り、広域への拡散という方法では日本に住む人全体への放射線被曝の影響を低減することはできない。

100 Bq/kg 以下というクリアランス・レベルはもともと原子炉を解体した際に生じるコンクリートや鉄骨などを再利用するために決められたものである。

本来は低レベル放射性廃棄物として管理すべきものであるが、原子炉の解体という近未来の現実を考えたとき、その管理すべき低レベル放射性廃棄物の多さに困惑した結果として便宜上出てきた数値である。このクリアランス・レベル以下のコンクリートや鉄材は、そのまま、あるいは放射能の無いものと混ぜて使うことが想定されていたはずである。


すなわち、環境に持ち込まれたとしても100 Bq/kg を超えるような放射能の濃縮はおこらない。しかし、今問題になっている震災瓦礫については、焼却が前提となっており、その結果、濃縮などにより100 Bq/kg を超える放射能が灰などに残留し、最大8,000 Bq/kg のものが、埋め立て処理により大量に各地の環境に持ち込まれようとしている。また、今回の島田市の松葉の調査結果は、焼却灰の処理だけではなく、震災瓦礫の焼却に伴って焼却場周辺の大気が放射能によって汚染する可能性についても考えなければならないことを示唆している。

放射能を含む瓦礫を、放射性物質を管理できない一般の焼却炉で焼却するという行為は、放射性物質を管理するという点からは、本来絶対に行ってはならないことである。焼却可能な震災瓦礫(木材チップなど)や放射性物質を含む汚泥などは有機物を多く含むので、バイオ燃料の材料として使うことができる。バイオ燃料を作る過程で分離される放射性物質を回収すれば(そして回収された放射性物質を国が保管管理すれば)、瓦礫・汚泥の焼却によって放射性物質を再び環境に拡散させることはなくなる。現時点でバイオ燃料の製造が割高であっても、放射性物質の回収という観点から考えれば、補助金をだしたとても市民は納得するのではないだろうか。せめて、専用の焼却施設を建設してほしいものである。


河野資料3.JPG

河野資料4.JPG




posted by ぱわふる at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | がれき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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