2012年05月05日

【森の防潮堤プロジェクト】瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る

http://azarashi.exblog.jp/15219792/
あざらしさんのブログより。

GWも残すことあと二日、今日は42年振りに原発が全機停止するらしい。

先週、上京した際に購入した宮脇昭博士(横浜国立大学名誉教授)の著書「瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る: 植樹による復興・防災の緊急提言 (学研新書)」を読んだので、以下にポイントをまとめてみた。

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◆4月上旬、被災地を現地調査した宮脇氏は「森の防潮堤」作りの提言をとりまとめ、仙台市長や南三陸町長などに進言するとともに、内閣府まで出かけて政府の「東日本大震災復興構想会議」に提言を提出した。

●「森の防潮堤」作りの提言




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◆提言から2ヶ月後の6月25日、「東日本大震災復興構想会議」は復興ビジョンをまとめた「復興への提言―悲惨の中の希望―」を菅首相(当時)に提出し、宮脇氏の提言は「鎮魂の森やモニュメントを含め、大震災の記録を永遠に残し」と反映された。

●「復興への提言―悲惨の中の希望―」

◆菅首相は「後世に残る重厚な提言を頂いた。最大限活かしてこれからの復興に当りたい」と語り、復興の基本方針を定め、2011年度第三次補正予算案に反映させるとしつつも、すでに退陣を表明している首相の求心力が落ちていることから、提言の実現が危ぶまれている。

◆「提言」に対する環境省からの質問事項と回答

Q:瓦礫には大きなコンクリート片とか違う大きさのものが含まれているがこれらの大きさはバラバラでも良いのか?

A:大きなものは子どもの頭ぐらいの大きさに砕いて(大きさは均質でなくても良い)土や砂利と混ぜながら盛ってゆく。

Q:瓦礫をそのまま埋めて、このようなマウンドをつくると強度に問題は出ないか?


A:新日鐵君津・名古屋・大分などの製鉄所の境界防災・環境保全林形成の実例が実証している。樹林帯の基礎としての強度は悪実に確保できる。

Q:穴を掘ってマウンドを作り瓦礫を埋めるという作業だけでも相当の作業量になり費用的にも安くないのでは?

A:埋立、焼却に較べて労力・作業量は格段に小さく費用的には将来の維持・管理コストに比してもはるかに安価である。

Q:土地の確保の問題もありこういう整備は困難では?

A:瓦礫のマウンド上の森は土地や費用をかけた埋立よりも持続的で多様な効果を持つ。このような防災森林は、いのちを守り地域経済と共生する。出来るところから直ちに実施する。

Q:照葉樹の生長の北限に近く岩手とか北の方では限界では?

A:現地調査とこれまでの調査結果では常緑広葉樹の再生は十分可能。これらの樹種は今回の大津波にも耐え、破砕効果によって抑制している事実を南三陸町、大船渡市でも確認。

Q:瓦礫には塩分を含んでいるものもあるが、塩抜きしてからでないと埋められないのか?

A:降水量の豊かな日本では表層からの雨水の浸透により早期に塩分は地中に流下する。したがって表層土部分から瓦礫などの「塩抜き」は不要。

Q:ヘドロが堆積しているところもあるが、ヘドロなどを混ぜて埋立てることは出来るか?

A:ヘドロは砂利や土、瓦礫などと良く混ぜ込むことにより、有効で重要な養分として利用が可能。木材瓦礫についても焼却すれば炭酸ガスが発生し、さらに有機物としての貴重な地球資源を失うことになる。土砂と混ぜてそのまま埋め込むことにより養分になり活用できる。

◆ドイツ、オランダなどでは州条例で木質系の廃棄物は焼却処理を禁じているところも少なくない。木片などの植物性有機瓦礫は焼却したり廃棄しないで、土と混ぜて森・緑地形成などに積極的に利用するよう条例などで決められている。

◆瓦礫をそのまま廃棄物として焼却、処分すべきかどうかについては慎重かつ多角的に検討すべき。被災者の思いでが詰まった品々も多く含まれている点に充分配慮するとともに、瓦礫の中にはこれからの復興活動に利用できるものがたくさんある。

◆毒性のあるものは除かなければならない。使えるものは選別して出来るだけ利用する。余分な経費やエネルギーを使わないで、それ以外の90%近くの瓦礫は焼かない、捨てないで、積極的に未来志向の地球資源として有効活用すべきであり、費用も大幅に軽減できる。

◆巨額の費用ややみくもに時間をかけないためにも、この度の未曾有の危機をチャンスに、世界に誇れる森の防波堤を、できるところから足元から作ってゆく。議論の時は終わった。今すぐ出来るところから、未来志向の地域経済と共生する「いのちの森」づくりを始めよう。

◆東北地方の海岸沿いに南北300キロメートルの「森の防波堤」をつくることによって、そこが「鎮魂の森」として忘れ得ぬ場所となる。また自然災害から人々を守り、暮らしを豊かにし、土地本来のふるさとの木によるふるさとの森として世界に誇る鎮守の森となる。

◆グローバルにはカーボンを吸収・固定し、地球温暖化を防ぐエコロジカルな森として、また貴重な環境資源ともなる。「森の防波堤」づくりは、必ず訪れる自身や津波から人々のいのちや暮らしを守るために、私たちが今すぐに実現できることである。

◆瓦礫を地球資源として使用する利点

●震災でなくなられた方々の例を慰める「鎮魂の森」として、海岸沿いに土砂などに混じっている採取困難な思い出の品々を埋めることによって、弔いと共に木質構造物を自然に帰す。

●毒物を取り除いた瓦礫を埋立てることによって、土壌中に酸素が溜まり、樹木の生長を促す。瓦礫を地球資源として有効利用することによって、処理費用の削減及び処理時間が短縮できる。


posted by ぱわふる at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | がれき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東日本全域で放射性物質が大量に燃やされ、濃縮されている!その3

http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/1ddac9569cdc4dd9758b9a93f935a744
明日に向けてより。

東日本全域で放射性物質が大量に燃やされ、濃縮されている!その1東日本全域で放射性物質が大量に燃やされ、濃縮されている!その2もあわせてお読みください。

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守田です。(20120504 23:00)

東日本1都16県の一般廃棄物焼却データ解析の3回目をお送りします。
今回は、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県を扱います。
データ元は以下です。
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste-radioCs-16pref-result20110829.pdf#search='焼却場放射能測定一覧'

基本的に各焼却場の飛灰から計測されたセシウムの値を取り上げます。
かっこないは計測日。すべて2011年のデータです。


東京都

全体としては1000〜4000Bq/Kgぐらいの値が出ていますが、突出して高いのが、江戸川区です。最高値の12920Bq/Kgが出ています。ただし東京はこの江戸川区のある東部の汚染が西部に較べて高いことが伝えられてきましたが、西部の三多摩地区の三鷹市などでも3409Bq/Kgという、東部と変わらない値が出ています。

「子どもたちと未来をつなぐ会・町田」が100人以上の健康調査を行い多数の子どもたちが、大量の鼻血を出したことが報告された町田市の値が1199Bq/Kgです。

低いところはというと、日野市の275Bq/Kg。さらに離島の利島村、新島村、三宅村、八丈村などはこれを下回りますが、大島は853Bq/Kgと、日野市よりも高い値を示しています。
以下、区市町別に示します。

東京都23区(高い順に)

江戸川区
清掃工場・飛灰12920Bq/Kg(0719)
大田区
清掃工場・飛灰3890Bq/Kg(0720)
練馬区
光が丘清掃工場・飛灰3870Bq/Kg(0723)
葛飾区
清掃工場・飛灰3860Bq/Kg(0722)
江東区
有明清掃工場・飛灰3630Bq/Kg(0726)
墨田区
清掃工場・飛灰3290Bq/Kg(0719)
世田谷区
清掃工場・飛灰3110Bq/Kg(0622)
足立区
清掃工場・飛灰2770Bq/Kg(0722)

以下、省略します。23区で最低値は以下の焼却場です。
豊島区
清掃工場・飛灰974Bq/Kg(0723)

東京都、市・多摩地区(高い順に)

三鷹市
環境センター・飛灰3409Bq/Kg(0711)
八王子市
北野清掃工場・飛灰固化物2540Bq/Kg(0706)
戸吹清掃工場・飛灰2470Bq/Kg(0706)
あきるの市(西秋川衛生組合)
高雄清掃センター・飛灰固化物2260Bq/Kg(0721)
小平市(小平・村山・大和衛生組合)
ごみ焼却施設・飛灰2251Bq/Kg(0709)
国分寺市
清掃センター・飛灰2187Bq/Kg(0719)

以下省略します。最低値は以下の焼却場です。
日野市
クリーンセンター・飛灰275Bq/Kg(0720)


神奈川県

最も高い値は逗子市の3123Bq/Kg。それに次ぐのが南足柄市の2885Bq/Kgです。全体としては1000から2000Bq/Kgぐらいに集中しています。

以下、市町別に示します。

横浜市
旭工場・飛灰2400Bq/Kg(0629)
金沢工場・飛灰2100Bq/Kg(0629)
都筑工場・飛灰1890Bq/Kg(0629)
鶴見工場・飛灰1220Bq/Kg(0629)
川崎市
王禅寺処理センター・飛灰2530Bq/Kg(0712)
堤根処理センター・飛灰1744Bq/Kg(0712)
浮島処理センター・飛灰1389Bq/Kg(0712)
橘処理センター・飛灰959Bq/Kg(0712)
相模原市
南清掃工場・飛灰2093.9Bq/Kg(0629)
横須賀市
南処理工場・飛灰2550Bq/Kg(0630)
鎌倉市
今泉クリーンセンター・飛灰919Bq/Kg(0707)
小田原市
環境事業センター・飛灰1286Bq/Kg(0701)
逗子市
環境クリーンセンター・飛灰3123Bq/Kg(0701)
南足柄市
清掃工場・飛灰2885(0705)

以下、省略します。最も値が低いのは以下の焼却場です。
大井町(足柄東部清掃組合)
大井美化センター・飛灰298Bq/Kg(0704)


新潟県

全体として値は低く、主灰からは不検出も多いです。しかし南魚沼市だけは突出して多く、県内最高の3000Bq/Kgが出ています。十日町市もやや高いです。以下、市町別に示します。

新潟市
白根グリーンタワー・飛灰54Bq/Kg(0705)
長岡市
栃尾クリーンセンター・飛灰205Bq/Kg(0704)
三条市
第2ごみ焼却処理施設・飛灰84Bq/Kg(0701)
柏崎市
クリーンセンターかしわざき・飛灰52Bq/Kg(0704)
十日町市
エコクリーンセンター・飛灰740Bq/Kg(0706)
魚沼市
エコプラント魚沼・飛灰1000Bq/Kg(0630)
南魚沼市
環境衛生センター・飛灰3000Bq/Kg(0701)

以下、省略します。最も値が低いのは以下の焼却場です。
妙高市
新井頚南クリーンセンター・飛灰10Bq/Kg(0707)


山梨県

全体として低めです。最も高い値が富士吉田市の813Bq/Kg、次いで大月市の482Bq/Kg、あとは200Bq/Kg以下です。以下、市町別に示します。(高い順から示します)

富士吉田市
環境美化センターごみ処理施設・飛灰813Bq/Kg(0721)
大月市(大月都留広域事務組合)
ごみ処理施設・飛灰482Bq/Kg(0712)
山梨市
環境センターごみ焼却施設・飛灰165.7Bq/Kg(0715)
東山梨環境衛生組合
環境衛生センター・142.7Bq/Kg(0715)
上野原市
クリーンセンター・飛灰112.7Bq/Kg(0715)

以下、省略します。最も値が低いのは以下の焼却場です。
甲府市
環境センター付属焼却工場・飛灰53.2Bq/Kg(0720)


長野県

場所によってばらつきがあります。不検出のところもたくさんありますが。佐久市で県内最高値の1970Bq/Kgが出ています。以下、市町別に示します。(高い順に示します)

佐久市
クリーンセンター・飛灰1970Bq/Kg(0708)
中野市(長野市、中野市、山ノ内市、小布施町)
東山クリーンセンター・1320Bq/Kg(0709)
須坂市
清掃センター・飛灰930Bq/Kg(0711)
上田市(上田市、東御市、青木村、長和町)
上田クリーンセンター・飛灰910Bq/Kg(0715)
信濃町(信濃町、飯綱町)
北部衛生センター・飛灰750Bq/Kg(0708)
飯山市(飯山市、木島平村、野沢温泉村、栄村)
エコパーク寒川・飛灰492Bq/Kg(0720)

以下、省略します。

不検出の焼却場のある市町村名を並べておきます。
松本市・木曽町・下諏訪町・白馬村・伊那市・辰野町
塩尻市・岡谷市・安曇野市・大町市


静岡県

全体的に1000Bq/Kg以下ですが、伊豆半島に高めのところが集中しています。県内最高値は熱海市の2300Bq/Kg、次いで伊東市の2230Bq/Kgです。
以下、市町別に示します。(高い順に示します)


熱海市
エコプラント姫の沢・飛灰2300Bq/Kg(0713)
伊東市
環境美化センター・飛灰2230Bq/Kg(0719)
伊豆の国市
韮山ごみ焼却場・飛灰2060Bq/Kg(0707)
伊豆市
清掃センター・飛灰641Bq/Kg(0704)
函南町
ごみ焼却場・飛灰488Bq/Kg(0711)
静岡市
沼上清掃工場・溶融飛灰442Bq/Kg(0704)
富士宮市
清掃センター・飛灰410Bq/Kg(0727)
磐田市
クリーンセンター・飛灰331Bq/Kg(0707)

以下、省略します。なお唯一不検出なのがなんと島田市の焼却場です。
島田市
田代環境プラザ・飛灰不検出

1都16県の分析は以上です。

最後の最後に珍しい不検出の焼却場として、島田市の田代環境プラザが出てきました。ここが「試験焼却」に使われたのは、静岡県で唯一の不検出焼却場だったからなのですね。他の焼却場はすでにセシウムで汚染されていることを熟知しているからここを選んだのでしょう。

それにしても、静岡県で、ただ一つ不検出だったところを選らんだことに政策的意図を感じます。要するに福島原発から最も近い、放射能汚染がされていない炉を使ったということです。なお、この島田に関する情報も、次回あたりで特集したいと思います。

今回の分析では東京以西(新潟を含む)の汚染実態、濃縮実態が垣間見えました。ただし注意を促したいのは、これはあくまでも濃度であり、放射性物質の総量ではないということです。東京の場合、ごみの総量が圧倒的であり、それを考えると量としての集積は非常に大きいといえます。巨大都市横浜などを有する神奈川県も同じことが言えるでしょう。なお東京について新しい情報を入手したので、続編で、独自の分析を行います。

さて、今回のデータをみるとき、もう一点、注意を促しておきたいことがあります。一番初めに紹介した岩手県のデータに戻りますが、実はここで紹介した環境省まとめによるデータには、もともと岩手県から出されたデータの一部が消えているのです。

どういうことかというと、最も高い値が出た一関清掃センターについて環境省は、7月5日飛灰26000Bq/Kg、7月22日飛灰30000Bq/Kgと並べるだけで、もう一つの非常に貴重なデータである8月24日飛灰14700Bq/Kgというデータを消してしまっています。

しかしこの14700Bq/Kgというデータをしっかりおさえたときにみえてくるのは焼却場の飛灰のデータは、日によって、なんと倍も違って計測されることがあるということです。これは非常に重要なポイントです。
以下、岩手県の元データを記しておきます。


http://ftp.www.pref.iwate.jp/view.rbz?nd=4406&of=1&ik=1&pnp=50&pnp=2648&pnp=4406&cd=37948

なぜそうなるのか。燃やすものに含まれている放射性物質の総量が日によって違うからに他なりません。ある意味でそれはあたり前なのです。ゴミに均質に放射性物質が付着しているわけではありません。たまたま多い日もあれば少ない日もあります。その差がなんと倍にもなってしまうのですから、とても1日の計測で、実態をつかむことなどできないのです。

となれば、今までみてきた1都16県のデータも、一つの目安にはなりはするものの、焼却の実態をつかむものとしてはあまりにアバウトなものであることも見えてきます。きちんと実態をつかむためには、もっと何日も継続的に計り、平均値を出す必要があったのです。

ところが環境省はそうした指導を行いませんでした。そのためデータがわずか1日のところばかりです。これは計測における重大な過失であると言えます。

そのことを岩手県の元データが物語っているため、環境省が整理するときに抜かしてしまったのだと思われます。これは数値改ざんではないものの、データの恣意的な抹殺です。

以上から見えてくることは以下の通りです。

一つに、東日本の1都16県で、放射性物質の非常に大量の濃縮と焼却が行われてきていること。しかしながらそのデータはわずかにしか記録されてきていないこと。初期の実態がなんら把握されていないとともに、その後も、計測回数があまりに少なく、きちんとした把握がなされていないということです。
ここでも放射能汚染が野放しにされている実態が見えてきます。


私たちは、もうこれ以上、私たちの国を汚染するなという声を強めていく必要があります。東日本がこんなに汚染されてしまったのなら、まだ傷の浅い西日本を守り、そこに東日本からの疎開や避難の拠点をたくさん作るとともに、汚染の少ない西日本で食料を大増産し、東日本に供給すること、そのことで、疎開も避難もできない人々にも、少しでも、放射線防護上、有利な条件を手渡していくことが大切だということです。

こんなにひどい汚染状況を明らかにせず、人為的な放射能の濃縮を野放しにして、人々に二重三重の被曝を強制している政府を信用することなど、絶対にあってはなりません。過ったがれき政策、それだけでなく放射性物質の焼却政策を何とかくいとめましょう。ここでの分析をそのために使っていただきたいと思います。

以上、3回の連載を終了します。


posted by ぱわふる at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | がれき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月04日

【災害廃棄物広域処理:現地視察速報】宮城県・仙台市・岩手県(4月30日〜5月2日)

http://blog.goo.ne.jp/nasrie/e/8e0ee4b9675c838510a7f6ba706a6a72
大田区 区議会議員:奈須りえ(なすりえ)日誌より。2012年05月04日 | Weblog

今回の主な目的は、東日本大震災に伴う災害廃棄物広域処理における、被災自治体から処理を受託した県の役割と自治体内処理が可能だった仙台市という政令市の比較です。

視察時間を1時間と指定してきた仙台市以外は、ヒアリングに重点を置きました。両県約3時間程度の視察となり、その内容も膨大なことから、特に、私が、今後の災害廃棄物広域処理において重要だと感じた点のみ、取り急ぎ報告します。

===================================

4月30日から5月2日にかけ宮城県、仙台市、岩手県に視察に行ってきました。
今回の視察での簡単な報告・情報提供です。

■災害廃棄物処理量見直し■

現在、両県では、災害廃棄物の処理量を見直しています。

■災害廃棄物処理量見直しの視点■

特に、宮城県では、
1.津波ごみの総量の見直し
2.仮説焼却炉の施設間処理の融通
3・県内既存焼却施設などの余力調査

により、処理量が減ると考えています。


実際には、
1.津波が、思ったよりたくさんのがれきを海に運んでしまった。
2・仮説焼却炉での焼却が見込みより早く進み、広域分として考えていた分を広域にまわさなくても現地で処理できる見込みになった。
3.これまで行ってこなかった
(これは宮城県。岩手県は既存施設の余力も当初から調査しています。)被災していない既存焼却施設​の余力調査を行うことで、広域分を減らせる。

ということです。


■木質可燃物の再生利用■

また、宮城県、岩手県、仙台市の3か所のヒアリングを通じ、処理を重ねる中で変わってきていると感じたのが、木の再生利用に対する考え方です。

木は、合板材料やバイオマス燃料として使用されているそうですが、当初は、解体材を中心に受け入れが進んでいたものが、ここにきて、解体材以外の当初「よくないもの」とされていた木についても、受け入れが広がってきているそうです。

現在、東京二十三区清掃一部事務組合に搬入され、焼却されているのは、女川町できれいに分別された木に、二十三区清掃一部事務組合の清掃工場への搬入基準に合わせるため、プラスチック14%繊維類6%を混ぜ、焼却しています。

女川町で拝見したとき、t当たり約¥7,000かけて手選別し、なぜ有効活用できないのか不思議に思っていましたが、合板などで活用が広がれば、わざわざプラスチックや紙類と混ぜ、莫大な輸送コストをかけて東京まで持ってきて燃やすなどということも不要になるのではないかと期待しています。

■現地処理困難3品を防災林のマウンド材として検討■

これに加え、現在、最終的に期限までの現地処理が難しい
@可燃焼却物
A安定型品目の最終処分品=ガラス・プラスチック類
B管理型品目の最終処分品=主灰のうち再利用できないもの

を防災林のためのマウンドとして活用できないか確認してもらっている。


環境省が林野庁に要請し、林野庁が新たに何をどう埋め立てられるか技術的問題を検討しているところだそうです。

通常、有機物の国土交通省の埋め立て基準は5%。
確かに、埋め立てに有機物の混入割合が高ければ、有機物が分解し地盤が下がるなど問題が生じるため、慎重に行う必要があります。


しかし、使用目的により要求される強度も異なります。目的に応じた有機物の混入割合、有害物混入を考えた安全策など検証結果に期待します。

林野庁の検討結果によっては、広域処理量が大幅に減る可能性がでてきました。

また、何をもって「現在決まっている」広域分になるかも重要です。
東京都の場合、50万トンの受け入れを表明していますが、「決まっている」のは50万トンなのか、既契約分10万トン余なのか気になるところです。


連休明けには、広域処理分の見直しが公表される予定だそうです。

■必ずしも広域処理を望めない被災地の理由■

最後にひとつ加えてお話ししたいのが、広域処理を必ずしも被災地では望んでいないということです。もちろん、災害廃棄物の処理をすすめたい。また、現状、現地で処理できないものを受け入れてもらうことについて、被災自治体が感謝していることに変わりはありません。
しかし、だからと言って、遠くまで運送費用をかけ処理すれば、それだけ処理費用もかさみます。


当面の廃棄物処理費用は国により100%補助されますが、災害査定により、かかった費用が、被災自治体の将来的な財政へのマイナス要因につながるのだそうです。

県では、そうしたことも配慮しながら、国に判断を仰いでいるそうです。

阪神淡路大震災の時に、起債がその後の自治体財政負担要因になったことに私たちは学べているのでしょうか。

遠方の複数の自治体が、少量ずつ引き受けることは、煩雑な事務処理負担を招いていないでしょうか。また、遠方まで運び高額な費用で処理することが、被災自治体への将来的な財政負担を強いることにはならないでしょうか。


■被災地支援のため国がなすべきこと■

例えば、岩手県で一番必要なのは、最終処分場(埋めたて地)の確保のように伺っていて感じました。
しかし、そこには、国の認可や費用負担の問題が存在します。


絆や支えあいと言って広域処理を誘導し、九州にまで国が赴き災害廃棄物を持っていくことが支援だとキャンペーンしているのが国の姿勢ですが、本当の支援とは、被災地を長期的に支援できる体制を整えることで、安易な支援により、近い将来の財政負担を強いることではありません。

国がなすべきことは、被災地が望む支援体制をどう構築していくかであると考えます。

posted by ぱわふる at 19:43| Comment(0) | TrackBack(0) | がれき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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