2012年04月30日

矢ケ崎克馬氏「内部被曝の基礎」 市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)

矢ケ崎克馬氏「内部被曝の基礎」 市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1820.html




内部被ばくの基礎

内部1.jpg

内部被ばくの基礎という事で、かなりエッセンスを捉えたという設定の仕方でやらせていただきたいと思います。
まず、内部被ばくですけれども、このように吸ったり食べたり飲んだりと書いてありますけれども、
空気中の埃を吸い込んで身体の中に放射性の埃を入れてしまう。
ここに書いてある埃の一粒一粒が放射性の埃のつもりで書いてあります。

内部2.jpg

あと一つは水の中に入っている放射性物質や食べ物の中の放射性物質を一緒に食べてしまう。
そこで、放射性の埃と私は表現いたしますけれども
ここからですね、実は1本の放射線が出てくるのではなくて、沢山の放射線が出てくる。
で、この場合は、身体の中から放射線が出てきて被ばくするという、そういう意味で
内部被曝という言葉を使わせてもらっています。

それで、ここに書いた赤い、ピンクの一粒一粒はどんな実態があるかという事を拡大して書きました

内部3.jpg

これが放射性の埃なんですが、
基本的には原爆での放射性の埃もチェルノブイリでの放射性の埃も福島の放射性の埃も
全部微粒子になっていると考えています。
中に含まれる原子はいっぱいありますけれども、
福島の場合にはヨウ素とセシウムが主体になっていると考えられます。
ただこれがですね、直径1000分の1ミリメートル以下というような大きさで、
たとえばこれが、1000分の1ミリメートルの直径のサイズであったとすると、
この中に約1兆個の原子が含まれているという事になる。
1兆個の原子のほとんどが、この原子のど真ん中から放射線を出すという、
この、放射線を発射することができる放射能を持っていますから、
このたったひとつの粒から沢山放射線が出てくる。
この場合、埃が身体の外にあるというのを書いてありますけれども、
実は原子の中心から出てくる放射線には
アルファ線、ベータ線、ガンマ線という3種類ある
と考えられておりますけれども、
アルファ線、ベータ線は非常に短くしか飛びません。
「透過性が低い」という表現を私はいたします。
ガンマ線の方は透過性が非常に高いんですね。
透過性が高いという事は実は相互作用、肉体との接触の仕方がうんとまばらなもんだから
エネルギーも失わないで遠くまで飛んでいっている訳なんですが、
その埃が身体の外にある時には、遠くまで飛んで、相互作用が弱いガンマ線だけにやられるというふうに
大雑把に見てよろしいという。

身体の外にこれがある時にはですね、ガンマ線がいっぱいいろんな方向に飛び出しますけれども、
身体に向かったものだけに被ばくします。

ところが先程のようにこの埃が身体の中に入ってしまうと、
この非常に短くしか飛ばないアルファ線やベータ線に被ばくしてしまう訳ですね。

これが、内部被ばくの方が、被曝する線量を沢山出し、被害が大きいという実態の一つの目安です

それで放射線が物体にあたったらどういう事になるかということを模式的に書いてみました。
放射線には光の種類のものと微粒子が飛んでいくものと二つありますが、
結局はこの図に書かれているような形で、トータルとして大雑把に理解してよろしいでしょう。

ここに3つ書いてあるものの、原子というふうに呼ばれているもので、
私どもの世界というのはこの原子が最終的な一つの体という事で知られておりますけれども、
この原子が1個で孤立しているという事はほとんどありません。

内部4.jpg

このように原子と原子が繋がっている訳ですけれども、
そこのところで、原子が繋がれる、繋がっていられる秘密はですね、
ここにちょうど書いてありますけれども、電子が二つペアになるという事が書いてありますが、
ペアになるという電子同士の力で、きちんとこの原子をつなげることができる。

私どもの身体で言えば、どんな命の機能を発揮する組織もですね、全部分子からできているんですね。
そこに放射線がやってくる。

放射線はすごくエネルギーが高いもんですから、
ぶつかったところの電子を吹き飛ばしてしまう。
そうすると、せっかくペアになっていて、原子と原子が繋がっていたのに、
ここでペアが破壊されてちょん切れてしまう訳ですね。
これが電子を吹き飛ばされることによって、分子が増えてしまう。
この現象が物理的に見て一番放射線の基本の作用である。


そこでですね、この分子の切断の様子がどんなふうになっているか?ということを
これもまたうんと単純化して書いてあります。
本質的な理解はこれで出来ると思います。

内部5.jpg

ここに書いてあるように、沢山分子がある分子の列が書いてあります。
たとえばこれがDNAであるとしましょう。
ガンマ線がやってきます。
ガンマ線というのはところどころ、今言った電子を吹き飛ばして分子を切断します。
ここでやらずに遠くにいってからやります。

ですから、ガンマ線の方はところどころだけ、被ばくを、いわゆる分子切断をして、
エネルギーを余らせて身体の外へどんどん飛び出してしまうというような性質です。

身体を貫くといわれると、すごく槍で断たれるような思いがしますが、
実は、放射線の中ではこれがいちばんやさしい、
・・悪さをするのにやさしいと言ったらちょっと語弊がありますが、やさいいタイプです。

これがですね、生命には切られたら繋ぎ直すというそういう作用があります。

基本的にその作用はミクロの場面というものを発揮されまして、
これが切られたらつなぎなおそうとする力が働きますが、
そのときに、周囲が健全であればちゃんとこのように元通りになる確率が非常に高いんです。

ところがアルファ線やベータ線のようにギシギシと、この遺伝子が切られてしまうと、
繋げようとした時に繋げる相手がいない。
だからこんなふうにですね、繋ぎ間違えてしまうんです。

この繋ぎ間違えたものがDNAであって、これが生き延びてしまうと、
こういうふうに繋ぎ直すような異常細胞結合が、
40回も50回も身体の中で行われて発がんに至るというふうに言われておりますけれども、
癌の元になったり、

それで、子孫に影響を与えることにもなります。

身体の中に入った放射性物質がどこに行くかという事というのが、
ユーリ・バンダジェフスキーさん、ベラルーシのお医者さんですが、その研究結果で出ております。

ここに5つの臓器や筋肉なんかが書いてありますけれども、
あらゆるところに、この放射性セシウムの137が運ばれています。
ということはここには8つしか書いてないけれども、身体のあらゆるところに運ばれる。
運ばれたところで放射線を出すんですから、
いままでICRPが言っていた癌に(+少数?)というようなそういうものじゃなくて、あらゆる病気が出てくる。
そういう基礎が放射線の分布状況で分かります。

内部6.jpg

特に、この赤い色が子ども、紺色が大人なんですけれども、
この甲状腺にはですね、非常に高いセシウムが含まれている。
この事が、甲状腺にはヨウ素が集められる、これがもう常識となっておりますけれども、
ヨウ素が集められる時にですね、粒子のまま甲状腺に入ってくる
粒子にはセシウムが含まれています。
だから、甲状腺によるセシウム137,4が
今詳しくは分かりませんけれども、
福島で30%もの子どもたちにしこりやのう胞があるというような状態が報告されました。
これも、子どもたちの甲状腺には今なおセシウムの放射線ガンマ線が出されているわけです。
ですから、2年後に再検査するなんてとんでもない話です。
半年、いくら長くても半年後にはきちんと検査をしていかなければいけない。
そういうことが大人の社会の務めとして、ここから出てくるものだと思います。


こういうふうに、えっと上がちょん切れてしまっていますが、
放射線の被害は、大きく分けて、わたしは1,2,3と3つをきちっと言いたいと思っております。

内部7.jpg

ひとつは急性症状だなんて言われるもので、
これについては確定的影響だなんて訳の分からない名前でいま、呼ばれているものです。

2番のものは確率的影響だなんて呼ばれているものですが、
もっと、実態的に言いますと分子が切られて、切られたものが非常に沢山になると機能が発揮できなくなる、
だから急性障害。


2番目は先ほど申しました、
遺伝子が生き延びようとする時に出てくる、そういう障害であって、
これも低線量といわれるような一番危険な病気だと思います。


3番目は分子が切られるもんですから、
肥田先生のぶらぶら病、そういうものが必ず出てまいります。
身体の機能が正しく発揮できないんですね。


で、澤田先生のお話しをちょっとだけいたしますが、
内部被ばくがずっと隠されてきました。
それでこれはですね、根源を正していけば全部がアメリカの核戦略からであります。

内部8.jpg

まずは核兵器の犠牲を隠す事
それから、原発を導入するのも、
そもそもはウラン濃縮工場を毎日運転させなければいけないという、軍事的なところからきております。


内部9.jpg

それであらゆるところで内部被ばくが隠されてきました。
特に原爆の内部被ばくを隠すのは、内部被ばくの元になる放射線の埃がないという,
台風に襲われた後、かろうじて粉じんの中にちょっと残っている、
この放射性線量を初めからあったという言い方をして、
内部被ばくはなかったという事にしてしまったわけです。


内部10.jpg

これがですね、
時間オーバーになりました、よろしくお願いいたします。

内部11.jpg

今の、我々が目指している内部被ばくをめぐる科学。
これがどんなふうになっているかという事を、構造的に教えていきたいと思っておりますが

原子力発電を遂行する方法は放射性物質を一生懸命まき散らします。
ところで命と環境は、この逆です。
命と環境を守るためにはれっきとした科学が必要です。
科学によってこれはある、「やってはならん」そういう事ができるようになる。
ところが今は、先程もICRPという名前がでましたが、
これは二つの大きな罪を行っております。

一つは功利主義で
生涯の上で出るという公益がある。公益を受けるからには少々犠牲が出てもあたりまえだなどという、
憲法違反、個人の権利、個の尊厳だなんていう事と全く相反する考え方がずーっと走ってきました。


もう一つはですね、内部被ばくを先ほどお話ししたように、原爆の時に隠した。
隠し続けるためにずーっと努力として内部被ばく研究をさせてこなかった。
100ミリシーベルト以下のデータがないなどというのは、典型的に彼らの努力の結果であって、
彼らの目的意識がここにあるわけです。


わたしどもは、れっきとした内部被ばく研究をする、科学の科学らしさをうちたてて、
そこでICRPではなくて、本当に命を守れる防護基準を作って行きたいと思っております。


どうもご清聴ありがとうございました。













posted by ぱわふる at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 内部被曝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月29日

飯舘村のウグイス ラジオオートグラフで被曝を映像化

森住卓のフォトブログより。
http://mphoto.sblo.jp/article/55571894.html

飯舘村のウグイス ラジオオートグラフで被曝を映像化 


先日、森敏先生から以前お願いしていたラジオオートグラフの写真が届いた。
私が飯舘村で昨年12月に採取してきたウグイスの死骸だ。
やはりだいぶ被曝していた。

ウグイスの被曝の状況を映像化したものだ。
カラーはサンプルの写真。
モノクロのレントゲン写真のようなものがラジオオートグラフ。
黒い点々としたものがCs137の放射線がでているため黒くなった。
羽の部分は表面に付着したもの、腹の部分の黒くなったところはお腹の内部から放射線がでている。
汚染した虫などを食べたことで食物連鎖で濃縮されたものと思われる。これはお腹側を羽を広げて撮影したものだ。
1枚の写真を撮影するために要した感光時間は一ヶ月。
提供;森敏先生

うぐいす1.jpg


うぐいす2.jpg

posted by ぱわふる at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 内部被曝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

沢田昭二氏「市民と科学者の内部被曝問題研究会」第一回総会記念講演4/22(動画・内容書き出し)

沢田昭二氏「市民と科学者の内部被曝問題研究会」第一回総会記念講演4/22(動画・内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1821.html



「放射性被ばくに脅かされない世界を目指して」ということで、
これまでいかに内部被ばく問題が、原爆被爆者の研究から隠ぺいされてきたかという事を、
具体的なお話しをちょっとしようと思っています。


今朝も先ほどお話しがありましたし、先程の肥田さんのお話もそうだったんですけど、

核兵器を使おうという政策、それから原発を推進しようとする政策に、
放射線の研究体制がすごく従属させられて、ひん曲げられてきたというのがあるんですね。
それについてちょっと、最初にお話しをしようと思います。

日本医学者の研究で一番大きな研究が始まったのが
1947年からスタートしたんですけれど、トル―マン大統領が被ばく者を調べて、
これから始まるであろう核戦争の中でピカッって光った瞬間の初期放射線の影響を調べる。
一応学問的には1分以内となっているのですが、その初期放射線の影響だけを調べる、
そして相手方の部隊をどれだけやっつけることができるか、
そしてその部隊がどれだけダメージを受けるかということを明らかにするために原爆被害者を調べて、
1950年に日本で国勢調査をやったその再調査の中で調べられた被爆者の中から、
広島市と長崎市に籍を持っている人たちだけを被ばく対象者にして調査を始めたというのが、
原爆傷害調査委員会、ABCCなんですね。

そして1975年に、このABCCが閉鎖されて、日米共同の放射線影響研究所(放影研)になったんですけれど、
スタッフや研究計画はこのABCCの物をそのまま引き継いでしまいました。

ということで、初期放射線の影響だけを研究するという事だけがずっと続けられてきて、
本当は、この内部被ばくの問題には、遠距離の被ばく者とか、それから入市被ばく者の研究、
入市被ばく者に一番深刻な影響が沢山出ているんですが、それを隠ぺいした研究をずっとしてきました。


しかし、調査人数がすごく多いという事と、それから長い間、半世紀以上も長い間研究を続けてきた。
こういう研究は他にありませんから、
この研究の結果が国際的な基準基準、国際放射線防護委員会等に送られていって、
そして世界中の放射線防護の基準を作るという事になっているんですね。

という事でこの国際放射線防護委員会の基準も、内部被ばくが明らかになっていないデータを使っていますから、
内部被ばくは外部被ばくと変わらないという事で内部被ばくの特殊性を全く無視した、そういう基準を作ってきたのです。

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ですけど、1997年に、ヨーロッパ放射線リスク委員会(ECRR)というのが出来ました。
チェルノブイリの事故の後はドイツでも放射線防護協会というのが出来まして、
そういう隠ぺいされたものを「もっときちんとやらなきゃいけないんじゃないか」という事を議論を始めました。
2003年にECRR勧告を出しましたし、
2009年にはECRRはエーゲ大学と共催してギリシャのレスポス島で会議をひらきました。
私もここに招待されて報告をしたんですけれど、
そして、「内部被ばくの問題をもっとちゃんと議論をしなさい」という事を訴えた
レスポス宣言というのを出して、この体制を批判しました。

それから日本で原爆症認定の集団訴訟というのが2000年から始まったんですけど、
そこでも内部被ばくの問題が明らかになってきました。
そして、全ての判決で、内部被ばく問題をきちっと評価しなさいという判決が行われました。
しかしいまだに、日本放射線影響研究所もそうですし、
それから厚生労働省も内部被ばくを無視するという立場を変えていません。

そして今回、市民と科学者の内部被ばく問題研究会がスタートしました。
で、午前中にが紹介されたんですけれど、
ドイツの放射線防護協会というのがチェルノブイリの事故の後からずっと研究していますので
共同して、これから内部被ばくの問題を明らかにしていこうじゃないかという事になっていきます。

ドイツと私たちの会が取り組むことによって、これから放射線被ばくに脅かされない世界を作っていく、
ま、そういうことに大きな貢献ができればいいなと思っております。


これは広島の被爆者の絵なんですけど

沢田2.jpg

この方は爆心地から1kmの木造家屋内で被ばくしました。
21歳の兵士なんですけど、屋内でしたので火傷はしませんでした。
それから幸い、怪我もしませんでした。
彼は、だからしばらくは被爆者の援護救済を取り組んでいたんですけど、
12日後に脱毛が始まりました。

沢田3.jpg

そして紫色の斑点、先程肥田さんも言いましたけれども全身にこういう紫斑がでて、
23日後に出て、28日後に死亡しました。
これは瞬間的な外部被ばくの影響です。

それからこちらの少女の方は11歳の少女は、
爆心地から2キロメートル。ここでは、瞬時の放射線はほとんど到達しません。屋内でした。

沢田4.jpg

彼女が脱毛を始めたのは、結局放射線降下物による内部被ばくの影響であるという事が明らかな訳ですね。
ですけどこういう影響を先ほどのABCC、放射線影響研究所は認めませんでした。
「遠距離のこういう脱毛は精神的なショックで起こった」んだと、
いまだに言い続けている状況が続いています。

午前中の総会にSchmitz−Feuerhakeさんっていう方がメッセージを送って下さったんですけど、
実は彼女が1983年に論文を書いてですね、
放射線影響研究所でやっている研究は遠距離被ばく者
この黒い丸で示したのが遠距離被ばく者
白い丸が入市被ばく者
これを比較対象外にするのは、それはおかしいという事を、初めて学術論文として研究をして明らかにしました。

沢田5.jpg

これは日本人平均と比べて、遠距離被ばく者や入市被ばく者が
どの位、癌とかいろんな病気についての発症率があるかという事で、
日本人平均と同じであれば1になるんですね。

で、調べている遠距離被ばく者や入市被ばく者は日本人に比べて死亡率は低いんですね。
それからいろんな病気なんかも低いんですけど、白血病とかいろんな癌なんかは高くなっているんですね。
死亡率はそれほど高くはないんですけれど、発症率がすごく高いんですね、のきなみ。
という事を論文に書いたんですけど、
国際的な放射線影響研究の専門家たちは彼女の論文の掲載を拒否しました。
で、彼女の論文は結局レターという、これは審査じゃないそういうところにしか掲載されなかったんですけれど、
1983年に「そういう事はおかしい」とすでに指摘していたんですな。

彼女は今現在ECRRの会長をやって下さっていまして、
今年の6月か8月ぐらいに日本にやって来て下さいますので、彼女と一緒になっていろんな研究ができると思います。

こうした隠ぺい政策の一番もとは、
「被ばく実態に基づいた被ばくの研究がおこなわれていない」ということなんですね。
それでわたくしは、原爆症認定集団訴訟が始まった事に際してそれをやる事にしました。

ABCCは1950年前後に、これから調査しうとする被ばく者の、脱毛とか
いろんな急性症状を発表しているはずなんですけど、
唯一発表しているのが脱毛の発症率ですね。

沢田6.jpg

四角というのが脱毛発症率なんですね。
初期放射線は爆心地から2キロまでしか到達しません。
でも、初期放射線が到達しない遠距離でもわずかですけど、脱毛が発生しているんですね。
実は放射線影響研究所の研究者はこの調査結果から、初期放射線の影響だけ引き出すことをやって、
この黒い四角と比較をしているんですね。
そしてこの比較が放射線降下物の影響だという事になるんですね。
私はこの調査結果から、これが被ばく線量と脱毛の発生率、シーベルトと読み直してもかまわないんですけれど、
被曝線量と脱毛の発生の確率を赤い直線で設定しました。
で、先程肥田さんがお話しになったように、
こういう症状が起きるのには個人差がすごく大きいわけです。

ほんのわずか浴びても、500ミリシーベルト位から始まるんだと思うんですけど、
それぐらいでもわずかに発症している人がいるわけですね。
だから、福島の原発事故で、先程のお話しのように、脱毛があったという事になると、
それは、その辺の被爆でも発症するような人ですね。
爆心地から2キロぐらいですと、5%の人に脱毛が発症していますね。
5%の発症の人は1.4ミリシーベルト浴びているということになるんですね。

沢田7.jpg

ずっと、被ばく線量が増えていくと、最後は100パーセント発症するわけです。
もっと被ばく線量が増えていくと必ずみんな発症する訳ですけど、
こんなに大量な4シーベルトを浴びると半分の人が60日以内に死亡するという、半致死量ですね。
それ以上浴びても、発症しない人も僅かにいるという事になるわけですね。
そういう事で個人差がすごく大きい。
だから平均値で考えてはダメだという事がイメージされている訳です。

これを元にして調べたのがこの図です。

沢田8.jpg

初期放射線、ピカッって光った瞬間は、こういうカーブで入ってくるんですけど、
降下物による影響というのは爆心地から6キロでも800ミリシーベルト。
これはグレイと書いてありますけれど、この辺は800ミリシーベルトという被ばくをしていることがわかりました。
国が言っているのは雨が降ってきてそれが地面の中に浸みこんだものを測ってこのバツ印。
全然違いますよね。
これを無視したのが現在の世界です。
この影響が内部被ばくだという事を今から示します。

これは長崎です。

沢田9.jpg

長崎は爆心地から12キロまでデータがありますので、
これは脱毛の発生率、青い線。
それから紫色の斑点が出てくる皮下出血はオレンジ色の線。
それから下痢の発症率が爆心地から近いところは発症率が低いんですけど、
逆に遠距離で、脱毛や紫斑に比べて発症率が高いですね。
この違いは何かというと、内部被ばくの影響なんですね。

で、私は今のデータから長崎の被曝線量を調べました。

沢田10.jpg

これが初期の被ばく線量で、降下物の量です。
1200ミリシーベルトとか1300ミリシーベルト。
広島の800ミリシーベルトよりもはるかに大きいですよね。1.5倍です。
で、これは広島よりも長崎の原爆が1.4倍だった時ことから、科学的に見ても合理的な結果な訳ですけど、
いまだに日本政府もアメリカ政府も放射線防護委員会もこれを認めようとしていない現状があります。
で、論文に書いて発表しようとしてもなかなか掲載されないという状況がずっと続きましたけど、
やっと去年の12月に、私の論文が日本の社会医学研究という雑誌に掲載されました。
世界の人達がそれを読むことになったので、そういう影響が広まっていけばいいなと思っているんですけど、

これは先ほどのですね、下痢の発症です。

沢田11.jpg

で、脱毛と紫斑に比べると、近距離では発症率が低い。
遠距離の方が発症率が高いんですね。
近距離はなにかというと、初期放射線が主なものです。
初期放射線は外から被ばくしますから、
下痢がはじまるというのは腸の壁の細胞が放射線にやられて剥離するという事で下痢がはじまるんですけれど、
腸のところにまで放射線が入ってくるとすると、
内部被ばくか透過力の強いものでないと入ってこないんですね。
透過力が強いというのは電離作用してダメージを与えるわけですけど、
腸の壁の細胞はすごく薄いですから、腸の壁まで到達できるんだけど、通りすぎてしまうわけですね。
という事でかなり大量に放射線を浴びないと、下痢が近距離では発症しなかった。


ところが遠距離の方は放射性物質を身体の中に取り込みます。
そしていきなり腸の細胞のところまで表面に放射性物質がきて、
そこで透過力の弱いベータ線をおもに与えるわけですね。
ベータ線は2センチか3センチしたら全部エネルギーを渡して溜まってしまう訳です。
という事で、この遠距離の下痢の発症というのは内部被ばくの影響なんですね。


だから、近距離は外部被ばく、遠距離は内部被ばくとなるわけです。
この違いを明確にすればいい訳ですね。

それを元にして被ばく線量を計算しました。
そうすると、初期放射線の影響と、放射線降下物の影響とがこんなふうにちゃんと出てくる。

沢田12.jpg

しかも、下痢と脱毛と紫斑の発症率が完全に被ばく線量を示す事が出来たのです。
だからこの大部分は、遠距離は内部被ばくだという事になるんです。
そうすると、先ほどお話ししましたように、
ガンマ線とベータ線の内部被ばくの影響が全然違うという事が明らかになったわけです。

いま、国際放射線防護委員会は、
ガンマ線もベータ線も内部被ばくで全く同じ影響しか与えないという基準を出しています。

で、これは放射線影響研究所のデータですけど、
放射線影響研究所はですね、遠距離被ばく者を把握していないとして、
それと比較して近距離被ばく者はどういう影響を与えているか計算しましたら、こういう線になるんですね。

沢田13.jpg

遠距離被ばく者を基準にしますから、こんなに低い数字が出ると。
ところが広島県民を対照にして遠距離被ばく者をちゃんと調べると、こういう線になるんですね。
これをちゃんと見ますと約2.3倍影響のズレが出てきました。

で、先日日本にやってきたMalko博士が調べたんですけれど、
ベラルーシと原爆被爆者を比べると、1シーベルト浴びた時にどれくらい癌が発症するかという事を調べたわけです。
ベラルーシはこうなったんですね。同じ被ばく線量です。
原爆被爆者の方はこうなったんですね。

沢田14.jpg

だからここにありますように、3.7倍から11.8倍ぐらいズレがあるんですね。
この比は何かというと、原爆被爆者の方は先ほど言ったように、
遠距離被ばくを比較対照にしているものですから、過小評価になる
んですね。
2,3倍から、2〜3倍のズレがある。

それから私はベラルーシの方は逆に測定がおかしいと思っています。
ホールボディーカウンターでやっています。
ホールボディーカウンターはガンマ線を測るんですけど、後でそれをベータ線などの被ばくと直すわけなんですけど、
その時に国際放射線防護委員会の基準を使うわけです。
国際放射線防護委員会はベータ線もガンマ線も全く変わらないとしています。
ですから私はホールボディーカウンターで測ったものは3倍から4倍5倍ぐらいしないと、
本当の被ばく線量は出てこない
と思っています。

という事でこちらの方はそういう大量の被ばくをしたという事と、
それからこっちは被ばく線量をごまかしている、遠距離被ばく者を比較対照にしているという、
両方ちゃんとやればこの違いが解明できると思っております。
という事でこれからちゃんと議論していけば、そういう問題が明らかになると、そういう事になると思っております。

で、もう時間がないので、この被ばくの勉強をちゃんとしていけば、
いま、核兵器を無くすという事で、ウイーンで今度原爆展をやろうという事になって、
これからウイーンで2015年の核不拡散条約で核兵器廃止の交渉を開始せよという事をやるんですね。
そういうふうになれば、核兵器を禁止するという条約をやって、
今の核不拡散条約というのはある意味で不平等条約で、
この条約のもとで原発の利用なんかが進んできたという事がありますんで、
核兵器禁止条約の制定に向ければ、このNPTの誤った事を正していって、
世界中でですね、放射線の影響、原発も、核兵器もない、そういう世界を実現できるんじゃないかと思っていますんで、
皆さんと一緒になって頑張っていきたいと思います。

沢田15.jpg

ありがとうございました。





posted by ぱわふる at 19:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 内部被曝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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